全勝寺遺跡2次調査

  • 全勝寺遺跡2次調査 C区全景(北から)
  • 全勝寺遺跡2次調査 02号墓 石室完掘状況(北から)
  • 全勝寺遺跡2次調査 46号墓 副葬品

画像数:3枚

所在地 舟町12番地     
ふりがな ぜんしょうじいせき2じちょうさ
種別 埋蔵文化財包蔵地
年代 縄文・近世
備考 ※記録保存:発掘調査報告『全勝寺遺跡Ⅱ』2012大成エンジニアリング㈱他
概要  全勝寺遺跡は、舟町の北東に位置する江戸時代の寺院の遺跡である。全勝寺の建立は天正6(1578)年、麹町貝塚(現千代田区麹町)を寺地としたが、元和2(1616)年に現在の袋町付近、同5(1619)年に舟町に移転する。
 2次調査は舟町12で行われた。この場所は江戸時代の本堂の北側にあたり、計66基の埋葬施設が確認された。この中で2号墓は、改葬されていたが、石室内に2基の甕棺が収められた多重構造であった。棺を納める槨や石室を備えた複雑な構造は、被葬者の身分や階層の高さを示す。見つかった石室内に甕棺を納めた墓は、大名の子女や側室クラスのものと推定される。また、46号墓からは豊富な副葬品が見つかっている。被葬者は20代の女性、甕棺に納められていることから武士層で、甕の形態から18世紀中~後葉に埋葬されたと推定される。副葬品には、香道具、短刀、硯、手鏡、鋏、剃刀、煙管、六道銭等があり、若くして亡くなった武家の女性の生活が偲ばれる。