永心寺本堂

  • 永心寺本堂
  • 永心寺本堂
  • 大間から内陣を望む
  • 大間から広縁、下の間を望む
  • 上の間から大間、下の間を望む
  • 広縁から上の間、大間を望む

画像数:6枚

所在地 新宿区須賀町11 永心寺     
ふりがな えいしんじほんどう
点数 1棟
種別 新宿区指定有形文化財 建造物
構造・寸法 1階建、桁行7間、梁間5間、寄棟造、桟瓦葺、桁行1間向拝付
素材・仕上げ等 木造
年代 享保11年(1726)
指定・登録年月日 平成31年(2019)3月7日
所有者 永心寺
アクセス JR総武線「信濃町」駅、東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅から徒歩7分
備考 建物内部は非公開
概要  本堂は享保11年(1726)の建立で、北を正面とする方丈型の平面形式をもつ。主要部分は、正面側三室、奥側三室からなる整形二列六室で構成され、これに式台玄関、背後に増築部が附属する。中央奥の部屋は本尊を安置する仏間であり、中央の大間との間仕切りは開放している。このような奥を内陣、手前を前室風の扱いとする諸室の平面構成は、奥行の深い礼拝空間を生み出している。右方の部屋は、奥に床の間を有する上奥の間、手前に上の間、左方は、奥に位牌段のある下奥の間、手前に下の間が並ぶ。左右とも居室的性格が強い。本堂は方丈型ではあるものの、一般的な方丈建築とは異なり客殿風である。
 補修については、明治9年(1876)、昭和24年(1949)、平成20年(2008)に修理をした記録があり、また関東大震災時には正面の柱を補修している。昭和57年(1982)頃に納屋と12畳間が増設された。さらに令和元年~2年(2019~20)には小屋裏と床下の耐震補強工事を行った。
 寛永11年(1634)から13年(1636)にかけて行われた江戸城外堀開削工事に伴い、麹町一帯から当地へ20数ヶ寺が移転し、四谷南寺町と呼ばれる寺町を形成した。永心寺も麹町より当地へ移転してきた寺院の一つである。区内では希少な江戸時代の寺院建築であり、度重なる改修・改変を経ているが、本堂の六部屋を中心とする主要部分は当初の姿をよく残存している。江戸時代に当地に形成された寺町の景観を伝える建造物として、また区内に現存する数少ない江戸中期の寺院建築として貴重である。