正受院の奪衣婆像

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所在地 新宿区新宿2-15-20 正受院     
ふりがな しょうじゅいんのだつえばぞう
点数 1軀
種別 新宿区指定有形民俗文化財
構造・寸法 像高 86.2cm 像幅(袖張) 83.5cm 像奥 66.5cm
素材・仕上げ等 木造(寄木造り) 彩色 玉眼
年代 不明(江戸時代初期か)
指定・登録年月日 昭和59年11月2日
所有者 正受院
アクセス 東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅から徒歩5分
概要  通称「綿のおばば」として、信仰を集めた奪衣婆像である。咳止めや子どもの虫封じに霊験があるとされ、当時咳止め祈願の御礼参りには綿を奉納した。
 小野篁(802〜852)作との伝承をもつが、構造や作風からみて江戸時代初期の作と推定される。像底のはめ板には「元禄十四辛己年七月十日 奉為当山第七世念蓮社順誉選廓代再興者他」との墨書があり、元禄14年(1701)に正受院第七世住職選廓が修復したことがわかる。製作時期はこれよりややさかのぼるものと考えられる。
 この像は、幕末に大変はやったが、それには次のような話がある。幕末に起こった事件や巷の話、瓦版の記述などを記した「藤岡屋日記」によると、弘化4 年(1847)正受院に押し入った泥棒が奪衣婆の霊力により体がすくみ召捕られた。さらに嘉永元年(1848)12月には奉納された綿に灯明の火が引火したのを奪衣婆自らもみ消したという評判がひろがり、翌嘉永2年(1849)春にかけて参詣人が群集し、大いにはやった。
しかしあまりにはやりすぎたため寺社奉行の取締りが行われ、それ以後は正月と7月の16日しか参詣が許されなくなった。