浄栄寺の山門「甘露門」

  • 山門「甘露門」
  • 山門「甘露門」
  • 山門「甘露門」
  • 「甘露門」の扁額

画像数:4枚

所在地 新宿区市谷薬王寺町19番10号 浄栄寺     
ふりがな じょうえいじのさんもん「かんろもん」
点数 1棟
種別 新宿区指定有形文化財 建造物
構造・寸法 1階建、正面一間、薬医門、切妻造、桟瓦葺、二軒
素材・仕上げ等 木造
年代 江戸時代後期
指定・登録年月日 平成24年5月2日
所有者 浄栄寺
アクセス 都営大江戸線「牛込柳町」駅から徒歩5分
概要  浄栄寺は市谷薬王寺町に所在する浄土真宗の寺院で、江戸城外堀普請に伴い当地に移転した。
 現存する浄栄寺の山門「甘露門」は、扁額に安永7年(1778)の年紀が記されていることや、建築装飾の編年から、江戸時代後期に建築されたと推定される。これは正面一間の薬医門で、切妻造・桟瓦葺・二軒の構造となっている。柱や梁の材が太く、屋根は大振りで、重厚な門構えをしている。女梁や笈形には彫物があるが、全体的に過剰な装飾はなく、江戸時代中・後期の建築意匠の一般的な特徴をもっている。
 「甘露門」という名称は、山門の扁額に書かれてあるもの。浄栄寺と縁の深い江戸時代後期の文人大田南畝(1749~1823)は、この寺を「甘露門」と称して、度々会合を催していた。山門は、浄栄寺を象徴するものとして、文人の間に知られていたといえる。
 区内では江戸時代の寺社建築遺構は希少であり、かつ浄栄寺が文人のサロンとしても機能したという点からも、同寺を象徴する山門「甘露門」は、歴史的・文化的に重要な建造物である。