善国寺の石虎

  • 吽形
  • 阿形、台座に刻まれた「不」の字が水準点

画像数:2枚

所在地 新宿区神楽坂5-36 善国寺     
ふりがな ぜんこくじのいしとら
点数 1対
種別 新宿区指定有形民俗文化財
構造・寸法 総高 阿形(右) 239.5cm 吽形(左) 230.5cm(台石・基壇部含む)
像高 阿形(右) 82.0cm 吽形(左) 85.0cm
素材・仕上げ等 石造
年代 嘉永元年(1848)
指定・登録年月日 平成21年11月6日
所有者 善国寺
アクセス JR、東京メトロ、都営地下鉄「飯田橋」駅から徒歩8分
概要  安山岩製の虎の石像で、台石正面には浮彫があり、虎の姿を動的に表現している。
 嘉永元年(1848)に奉納されたもので、阿形の台石右面には、「岩戸町一丁目」「藁店」「神楽坂」「肴町」などの町名と世話人名が刻まれ、寄進者が善国寺周辺の住民であったことがわかる。石工は原町の平田四郎右衛門と横寺町の柳沼長右衛門である。
 善国寺は毘沙門天信仰から「虎」を重視し、石虎の造立も寄進者らの毘沙門天信仰によると考えられる。また、台石に残された寄進者名や地名は、江戸時代後期における善国寺の毘沙門天信仰の広がりを示している。
 石虎は都内でも珍しく、区内では唯一の作例である。戦災による傷みがみられるが、希少な石像であるとともに、地域にとっても貴重な文化財である。
 なお、阿形の台石正面にある「不」の字に似た刻印は、明治初年のイギリス式測量の几号水準点で、残存している数は全国的にも少ない。